官僚になれなかった夏

はじめまして。ブログ初心者のNao-Naoと申します。このブログでは日常の時事問題や公務員試験の勉強・受験時の心構え、就職活動等について書いていきたいと考えております。何卒よろしくお願いいたします。

★【ニュース】第25回参議院議員選挙の結果について★

おはようございます。

Nao-Naoです。

昨日に引き続き今日も記事を書いていきたいと思います。

 

今日の記事はズバリ「第25回参議院議員選挙」です。

 

結果としては与党の圧勝でしたね。

今回は自民党公明党の与党で過半数を取ることが出来るかが大きな目安だとメディアは言っていましたし、加えて憲法改正に前向きな勢力(与党+日本維新の会)が参議院全体の3分の2を取ることが第二の命題となっていた選挙だと思いました。

 

まず第一のメルクマールだった自民党公明党過半数を取るという点では無事達成されました。これで「ねじれ国会」が生じることもなく、国政の停滞は避けることが出来ました。

しかし、第二の目標であった改憲勢力で3分の2を占めるということは惜しくも後僅かなところで達成することが出来ませんでした。

 

今回の第25回参議院議員選挙の結果は以下の通りです。

www.nhk.or.jp

早速この選挙では問題が起こったようで、集計した際に2票多いという謎の状態になった開票所もあったようです。このような問題が起こる度、投票所の奥に座っている「立会人」の存在意義を疑ってしまいます。

www.asahi.com

また、このような際には必ず、「不正選挙だ!」とかいう批判が多々あると思いますが、この考えは一応、民主主義国家である日本国において通用しない考えであると思います。

選挙制度に問題があるだの、民放の選挙に関する情報を出すのが遅いだの、現行制度に問題があることは否定し得ません。多分問題は多いと私自身も考えます。

しかし、それだけで民主主義の根幹である「選挙全体」を否定していい理論には結びつきません。それに、多種多様な意見があるのだから多数派、少数派が生じて当たり前です。自身の好まない政党が与党になった、又勢力が伸張したことを理由に民主主義を否定してはいけないと思います。

この時に考えていただきたいのが有名な「寛容のパラドックス」です。

 

提唱者のカール・ポパーは著書『自由社会とその論敵』において「合理的な論議で反論できる限りにおいて、不寛容な哲学を口にすることを法で禁止することはきわめて愚かしいものである」と述べています。彼が主張した考え方は、「握り拳や武器を用いてみずからの意見を押し通し、他の意見を弾圧しようとする者達(不寛容な者達)に対して寛容しない権利を求める」というものでこれを克服する手段として「民主主義の完成」を挙げています。つまり、健全な民主主義体制の下で、自由な批判の応酬という方法を介して、人は正しい道へと少しずつ近づいていけるということです。

 

では、彼の言う「不寛容な者達」とは誰を指すのか。彼が指していたのはマルクス主義であり、マルクス主義反証可能性が無く科学的とは言えない、という批判を展開していました。つまり、今の表現規制に対する批判ではなかったのです。

 

また、選挙については経済学者のケネス・アローが「アローの不可能性定理」という面白い考察がなされております。

 

軽く紹介すると、現代社会に生きる私達は「社会の中の個人は各々個人的な選好を持ち、 そうした各人の選好を合計すると社会全体の選好を得ることが出来る」という大前提は当然のことであると認識してますが、以下に述べる3つの前提と4つの条件を満たすとこの大前提が達成出来なくなるというものです。

3つの前提とは「①選好は推移的である(A>BかつB>C、ならばA>C)、②選好は完全である(A,Bがある場合、A>BまたはA<BまたはA=Bのいずれかである)、③3人以上の当事者が含まれる」というものであり、4つの条件とは「⑴独裁制、⑵定義域の非限定性、⑶無関係の選択肢からの独立性、⑷パレート効率性(全会一致性)」というものである。

成り立たないものの例として、立候補者の乱立によって票が割れてしまうことが挙げられます。この反例は⑶の否定に当てはまります。更に⑷に関しては「コンドルセパラドックス」というものがありますが、また機会があればご紹介したいと思います。

 

つまり、選挙制度自体、完璧ではないと示されているわけです。

このような中において、少しでも良い制度、マシな制度を構築していけるかが課題となり、現在においても民主主義諸国において答えが出ていないのです。

 

ですから、何を言いたいのかというと「全く民意を完全に反映できる選挙制度は存在しない」ということです。

Twitter等で「不正選挙だ!」等の書き込みを見かけても、「ああ…この人は民主主義という永遠のテーマに取り組んでいるんだなあ」と生暖かい目で見てやってください。多分、改善することも、選挙結果が変わることもありませんので、現実は現実として受け止めましょう。

 

今回は長々と理論を書きましたが、参議院選挙が済んで、これからが大切です。

勿論当ブログでは、これからも広く時事問題を扱っていきますので、政治に関して扱うことが極めて多くなるかと思いますが、その際に、少しでも読んでいただける皆さんのプラスになるように色々な理論や歴史等を加えていければと考えております。

 

これからも何卒よろしくお願いいたします。

 

Nao-Nao